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住まいのバリアフリーコンペティション


審査総評・審査委員
総 評

 当協議会は、昨年度に引き続き住宅バリアフリーコンペを開催したが、締め切り間際まで応募が少なく事務局をやきもきさせた。結果的には26点の応募作品があり、昨年に比べ10数点少なくなったものの内容的にはレベルの高い作品ばかりとなり、関係者一同、安堵したところである。まずは応募をしてくださった方々に厚く御礼を申し上げたい。
今年の応募作品の特徴は以下のようにまとめられる。

 第一に、応募作品が対象とした高齢者・障害者の身体状態像がさまざまであったこと、である。昨年は高齢者が中心であり、かつ健常高齢者に対するいわゆる高齢対応型住宅ないし脳血管障害者といった片麻痺レベルが多かったように記憶しているが、今年度は、たとえば脊髄小脳変性症、重度脳性まひの子どもといった障害者を対象といった応募作品が多かった。

 第二に、重度障害者や高齢者の介護をより行いやすくする応募作品がある一方で、障害者や高齢者の自立を促すあるいは自分らしい生活を重視するといった応募作品も多く、バリアフリーという言葉の中にも目的の異なるバリアフリーが見られるようになったことは、住宅バリアフリーがいろいろなかたちで浸透してきていることをうかがわせた。
 
 第三に、介護保険の住宅改修項目を中心としたバリアフリー配慮が多いのは当然としても、今年度は感覚機能に対するバリアフリー、たとえば、温度や照明のバリアフリーといった内容が目立ったのは、単に住宅改修項目レベルのバリアフリーはこの種のコンペでは最早常識化されてきており、これからはさらに内容の濃いバリアフリー作品でなければ賞は覚束ないということの反映なのだろうか。もしそうであれば、この住宅バリアフリーコンペは世の中のバリアフリーのレベルアップにつながる意義のあるものといえよう。

 一方で昨年に引き続いてやはり気になることもある。その一つに「コンペ=デザイン」が重要との考えにとらわれ過ぎ、本来の目的である障害にきちんと対応した建築的配慮についての説明がおろそかになっていることである。コンペであるからプレゼンテーションが重要であることは論を待たないが、この両者をいかにうまく融合させるかが重要なポイントなることをもっと自覚してほしい。

 いずれにせよ甲乙付けがたいレベルの作品が多く、審査委員を悩ましてくれたことは、当協議会にとってもうれしい結果となった。

審査委員長 野村 歡

審査委員    
審査委員長 野村  歡 (国際医療福祉大学大学院教授)
審査委員 飯田  旭 (一級建築士飯田建築設計事務所、当協議会相談委員会委員長)
  石川彌榮子 (城西国際大学客員教授、当協議会調査研究委員会委員長)
  大塚 祐子 (東京都心身障害者福祉センター作業療法士)
  松村 光庸 (東京都都市整備局住宅政策推進部長)




東京都住宅バリアフリー推進協議会 事務局